「Amazon Flexだけで生活できない」という声は、残念ながら本当です。私は2021年1月から大阪府でAmazon Flexを中心に配達してきましたが、2026年に入ってからは、オファーの数が明らかに減っていると感じています。
この記事では、現役の配達員として、Amazon Flexだけで生活するのが難しくなっている理由と、オファー不足の実態、いまの収入の目安を紹介します。これから専業で始めようと考えている人に、判断の材料にしてもらえたらと思います。
Amazon Flexだけで生活するには、1か月先のオファーを取れる「アーリーアクセス」の権利がほぼ必須です。ただし2026年は、権利があってもオファーを安定して取るのが難しくなっています。専業で稼げているうちに、ほかの収入源を準備しておくことをおすすめします。
結論:Amazon Flexだけで生活するのは厳しくなっている
最近のAmazon Flexは、かなり厳しい状況です。去年までは、地域によっては慌てずにオファーを取れていましたが、今年に入ってからはオファーの数が明らかに減っています。それなのに、ドライバーは減るどころか増えていると感じます。
生活できている人とできない人の違い
Amazon Flexの専業で生活できている人も、確かにいます。ただし、稼働していない時間も、オファーを取るために多くの時間を使っています。そして専業で続けるために欠かせないのが、アーリーアクセスの権利です。この権利がないと、専業はほぼ無理だと思います。
アーリーアクセスとは
アーリーアクセスの権利を持っているドライバーは、1か月先のオファーを取れます。たとえば、8月第2週の1週間分のオファーが、7月第2週にまとめて表示されます。権利がないドライバーには、1週間先までのオファーしか表示されません。この差はとても大きいです。
ただし、権利を持っていても、オファーを安定して取れるわけではありません。1か月先のオファーも、権利を持つドライバー同士の取り合いになるからです。オファーは日曜日から土曜日までの1週間分がまとめて表示されるので、月曜日のオファーを取っている数秒の間に、ほかのドライバーが火曜日や水曜日のオファーを取っていきます。全部の曜日を確保するのは難しく、3〜4個取れたら上出来です。
Amazon Flexだけで生活できないと言われる3つの理由
Amazon Flexは、荷量が多い、お客様からのクレームが多いなど、いろいろなことを言われます。ただ、それよりも大事なのは、オファーを取れるかどうかです。生活できるかどうかは、ほぼこれで決まります。
オファーがない日がある
当日にオファーが残っていることは、むしろ珍しいです。ほとんどのドライバーが、事前にオファーを確保しているからです。当日に新しいオファーが出るのは、誰かが寝坊して間に合わなかったり、大雨で放棄したりしたときくらいです。そうしたオファーも取り合いになるので、多くのドライバーがアプリの更新ボタンを押し続けて待ち構えています。
アーリーアクセスの権利を保つのが難しい
アーリーアクセスの権利を得る条件は、Amazonから明確には示されていません。私の経験では、1週間に合計40時間前後の稼働を3週間ほど続けると、いつの間にか1か月先のオファーが表示されるようになりました。
ところが2026年に入ってからは、1週間に40時間前後のオファーを取ること自体が難しくなっています。1週間に20時間ほどの稼働が2週間ほど続くと、1か月先のオファーが表示されなくなり、権利を失います。権利は何度でも取り直せますが、そのためのオファーを取るのが本当に大変です。
収入が安定しない
オファーが取れなければ、当然ですが収入はありません。それでも、車のメンテナンス代やガソリン代、保険料はかかり続けます。ここが、会社員とは違う個人事業主のつらいところです。
オファーが取れないときの現実と対策
オファーがないということは、その日は仕事がないということです。精神的にも追い込まれます。
オファーが足りない原因
Amazon Flexのオファーの数が減っているのに、ドライバーは増え続けていると感じます。ニュースで「ドライバー不足」と取り上げられるのを見て、仕事がたくさんあると思って参入する人が多いのだと思います。実際には、わずかなオファーを大勢のドライバーで取り合っています。
専業ドライバーがしていること
専業のドライバーは、稼働していない時間はずっとオファーの画面を確認し、更新ボタンを押し続けています。トイレに行くときも、お風呂に入るときも、ご飯を食べているときもです。中には、夜中に1時間ごとにタイマーをかけて、オファーを確認している人もいます。大げさではなく、これが実態です。
オファーが出る時間には規則性があることも
地域やステーションによっては、オファーが出る時間に規則性があります。たとえば、毎週土曜日の昼に12:02、12:12、13:02のように、2分になったタイミングで出るといった法則です。こうした法則は1人では見つけにくいので、ドライバー仲間を増やして情報を共有するのがいちばんです。オファーの取り方は、オファーが取れないときの対処法の記事で詳しく紹介しています。
Amazon Flexはやめとけと言われる理由
配達員への評判が厳しい
残念ながら、Amazonの配達員の評判はよくありません。「置き配不可にしているのに置き配された」「時間指定なのに時間内に届かない」「ポストに無理やり押し込まれた」といった声があり、実際にそうしたドライバーがいるのも事実です。真面目に配達していても、お客様から厳しい目で見られることがあります。
初めてのエリアも1人で判断しなければならない
初日はアプリの操作や荷物の積み方、配達の方法を教えてもらえますが、実際に配達するのは初日から自分1人です。経験者が隣に乗って教えてくれることはありません。荷物の個数や配達エリアは、チェックインしてから初めてわかります。
初めてのエリアでは、マンションのエントランスがどこか、どこに停めればよいか、狭い道を通れるのかがわからず、迷いながら配達することになります。マンションの管理人に厳しく注意されたり、少し車を離れた間に駐車違反を取られたり、時間指定の荷物に焦って事故を起こしたりと、配達にはさまざまなリスクがあります。
それでも続ける人がいる理由
理由は簡単で、慣れると楽だからです。同じ地域、同じステーションで何年も稼働しているドライバーは、仕事に完全に慣れています。1年ほど専業で稼働すると、担当する地域のほとんどの場所を配達することになり、どの配達先も何度も通った道、何度も届けた場所になります。
アプリの操作にも慣れ、ドライバー仲間も多く、情報も共有できています。Amazonの荷物はほとんどが置き配なので、素早く配達できます。この点は、郵便局や佐川急便、ヤマト運輸の配達と比べてもずっと楽だと感じます。
いまのAmazon Flexで月にいくら稼げるか
私が稼働しているエリアでの目安は、次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 報酬の単価 | 1時間あたり税込2,000円 |
| 1日の稼働時間の上限 | 12時間 |
| 1週間の稼働時間の上限 | 50時間 |
| 理論上の最大 | 1週間で約10万円、1か月で約40万円 |
※2026年7月時点の、大阪の私のエリアでの目安です。1時間あたり1,800円ほどの地域もあるようです。
去年までは、オファーもスムーズに取れていたので、専業のドライバーはだいたい月に40万円前後を稼いでいたと思います。しかし今年は、専業でもオファーの取り合いになり、1週間の稼働は30〜40時間ほどになると思います。月に30万円ほど稼ぐのがやっと、というのが実感です。
しかもこの30万円は、アーリーアクセスの権利を持っているドライバーの話です。これから始める人や、始めたばかりの人は、この金額を下回ると考えておいたほうがよいと思います。
Amazon Flexが向いている人・向いていない人
向いている人
個人事業主で1人で配達する仕事なので、人付き合いは関係ないと思われがちですが、実は人とのつながりがとても大事です。オファーが出るタイミング、配達先の情報、アプリが更新されたときの使い勝手など、1人ではなかなか上達しません。ステーションのスタッフも含めて、いろいろな人と関われる人に向いています。
向いていない人
短気な人や、運転が好きではない人には向いていません。時間指定の荷物に追われているときに、信号や踏切で足止めされて焦ることもよくあります。イライラは事故の原因にもなります。また、いつオファーが出るかわからないので、スマホを肌身離さず確認し続ける根気も必要です。
Amazon Flexだけで生活するために考えておきたいこと
Amazon Flexの専業にこだわるなら、まずは家計を見直して、固定費をできるだけ下げることです。オファーが取れなければ、日雇いで働いているのと変わりません。
1か月に必要な売上を計算する
家賃や住宅ローン、スマホ代、水道光熱費、保険、車の維持費などの固定費に、食費や交際費などの変動費を加えます。その合計から、1か月に何時間稼働しなければならないかを計算しておきましょう。
ほかの収入源を準備しておく
Amazon Flexの専業ドライバーが、あとから別の収入源を持つのはかなり難しいと思います。稼働していない時間も、ずっとオファーを確認しなければならないからです。何か別のことをしていても、「いまオファーが出ているかもしれない」と焦ってしまいます。
専業になる前に、収入源になりそうな仕事を見つけておいてください。フードデリバリーの配達員なら、登録だけでも済ませておくと、Amazon Flexのオファーが取れなくなったときにすぐ動けます。登録には数日かかります。
体のメンテナンスも計画に入れる
Amazon Flexでは、飲料など重い荷物をたくさん運ぶので、体への負担が大きく、腰や膝を痛めることもあります。整骨院に通うなど、体のメンテナンスにかかるお金と時間も、計画に入れておく必要があります。
私自身も、配達を長く続けるために、いまは稼働の中心をAmazon Hubデリバリーの午前中の配達に移し、在宅でもできる仕事に挑戦しています。1か月先のオファーを安定して取れているうちに、いつでも次に動けるよう準備しておくことが大切だと感じています。
まとめ
Amazon Flexは、配達未経験の人でも始めやすい仕事です。アーリーアクセスの権利があれば、専業で生活することもなんとかできます。ただし、オファーの状況はこの先どうなるかわかりません。
- 専業ならアーリーアクセスの権利がほぼ必須
- 2026年は権利があってもオファーの確保が難しい
- 1か月に必要な売上と稼働時間を計算しておく
- オファーが取れているうちにほかの収入源を準備する
大変なことも多いですが、配達そのものは、慣れると楽しい仕事です。あわせて読んでおきたい記事です。



